以前、あて材について書きましたが、今回はもう少し詳しく。
あて材とは、山の斜面などに生えて成長した木の年輪が片方に寄るため
異常を起こしている材です。
あて材。
線で囲った部分があてです。山の斜面で谷側に生えていた部分です。
少し色が変わっていますね。
この板を製材してみると。
このように右側はまっすぐしていますが、あて側は大きく反っています。
あては、乾燥による曲がりではなく木の細胞の異常で反ります。
試しに、あて材を乾燥機に入れたことがありましたが
更に大きく反りました
通常は、このようにまっすぐになります。
あて材は、製材した瞬間反ります。
月: 2010年1月
ピタゴラスの定理
ピタゴラスの定理(三平方の定理)と聞くと、木材とは関係ないようですが実はよく使っています。
ピタゴラスの定理とは、直角三角形の直角を挟む2辺の2乗の和は
斜辺の2乗に等しい。ということで式で表すと
X²+y²=Z² になります。
よけいにややこしくなりましたが
例えば、構造材で120mm×240mmのサイズを製材するときに何cmの丸太が1番効率的か計算するのに使います。
このように製材するとき何cmの丸太が必要かを計算します。
このZの数値が分かれば、丸太の径がわかります。
まず、ピタゴラスの定理にあわせて
X=120mm Y=240mmなので
Z²=X²+Y²より
Z²=(120)²+(240)²
Z²=14,400+57,600
Z²=72,000
Z=√72,000
Z=268.328
Z=26.8cm
となります。
つまり、直径26cm~28cmの丸太で
120mm×240mmの構造材が取れる計算になります。
確か、中学校くらいでピタゴラスの定理を習った気がしますが
まさか、実際に使うとは思っていませんでした
最近は、√の付いた電卓も減ってきているので、電卓を探すのも
一苦労です。
中温乾燥
おぎもくでは、高温乾燥ではなく中温乾燥を採用しています。
もちろん、高温乾燥も出来る乾燥機ですが、最初にテストしたとき
乾燥後の材料が大きく変形し、色も変色し
材料屋からみると‘木‘ではありませんでした。
木材人工乾燥機
「道 21世紀新聞」に高温乾燥による影響が書かれている記事があったので抜粋します。
「摂氏120度の高温で短時間の乾燥が主流。高温乾燥によって
木材は大きく変化する。木材は無数の細胞から成り立っているので、
細胞を接着しているリグニンが溶け出し、
木材の中身はカステラのようになる。
ノミを入れるとボソっと入ってしまい、強度は半減する。高温人工乾燥は37倍ものスピードで劣化を早め、1000年持つヒノキを20年程の寿命にしてしまう。」
現在、ほとんどの乾燥材は高温乾燥です。
理由は、乾燥コストや乾燥時間の短縮の為です。
しかし、「価格の不思議②」で書いたように、
実は中温乾燥と大きく価格は変わりません。
おぎもくでは、これからも中温乾燥を採用していきます。
天板(カウンター材)
おぎもく初市で天板の展示販売をしましたが、天板も乾燥が一味違います。
天板のように巾の広いものは、反りやすく製材時はまっすぐでも
3カ月後くらいからだんだんと反ってきます。
ストーブの近くだと更によく反ります
その為当社では、乾燥機に2回入れています。
1回では、まだ微妙に反ってきます。
2回乾燥することにより天板は反りますが、養生後すり直しをすれば
以後、反ることはほとんどありません。
元々の厚みが80mmあってもすり直しで60mmくらいに
なることもあります。
手間と時間はかかりますが、使用する事を考えると
含水率の甘い材料は出せません!!
杉の魅力
杉には、免疫力を伸ばす効果があると実験された方がいます。
「ガンは治る ガンは治せる」の本より抜粋します。
建物も病気を作る_木の建物、木造住宅が人類を救う
船瀬 九州大学の綿貫教授というかたが面白い実験をされました。
合板の机とパイプ椅子で勉強している子どもたちと、
それから小国スギという、塗装しない無垢のスギの机と椅子で
勉強させて実験したんです。
98人を3クラスに分けて、これまでの机を使っている人、
新品に合板をつかった机の人、木の香りのするスギの机、
それを3ヶ月間使ってもらい観測しました。
すると免疫グロブリンAという、免疫力のひとつの指標に
あたるんですが、スギの机で勉強した子どもたちは、
平均で37%、アップしていたんですよ。
新品の合板を使った子どもは、1.7%しかアップして
いませんでした。約22倍の効果にあたります。
この実験はスウェーデンの国際人間環境会議で発表したら、
世界中のみなさんがびっくりされました。
なぜ、それほどまでに、免疫力が上がるかといいますと、
それはスギの香りなんですね。
スギの天然の芳香がそういう効果をしめすらしいです。
同じ調査を林野庁もやっているんですが、東京の心身ともに
ストレスにまみれた、サラリーマンの方、12名を、
信州のロッジまで来てもらって、何もせずぶらぶらしてもらって、
ただスギの森のなかを歩いてもらっただけで、
初日に、ナチュラルキラー細胞活性(NK活性)が25%増になり、
翌日には52%増ぐらまでいきました。
2日間で、12人のガンと闘う免疫力の平均が1.5倍強、
伸びたわけです。
奇 それは森林セラピーですか。
船瀬 森の香りのね。自然な木からは芳香物質が揮発しています。
フィトンチッドと呼ばれる成分で、これらには免疫力等を
活性化する作用が確認されています。
つまり‘木の香り‘には、人を癒す作用があるのです。
林野庁の実験は、森の癒し効果も立証しました。
すでにドイツなどでは、森林セラピーは健康保険で適用されている
のです。
一方、日本の厚労省は効果のある代替療法を敵視し、
弾圧しています。
医療マフィアの片割れだから仕方がない、といえば
それまでですが良心のカケラくらいは持って欲しい。
以上、長文でしたが無垢材には免疫力が上がると言うことが
数字で示されたので紹介しました。
いよいよ出荷
まもなく、上棟を迎える舟越工務店様の
杉 無垢構造材を出荷します。
丁寧に積み込みます。
いつも思うことですが、娘を嫁に出すような気分になります
丸太を選別して、丁寧に製材・乾燥・加工すると情がわいてきます。
この感情は、手塩にかけて1本1本丁寧につくっているので
出てくるんでしょうね
山崎木材市場 初市
山崎木材市場の初市がありました。
初市だけあって、普段より大量の材が出ています。
買い方も普段より多く来ていました。
お正月相場もあり、丸太価格が上昇しています。
こうなると、難しいのが競り落とす価格。
丸太の品質と価格を吟味しながら競り落とします。
手刻み終了しました。
いつもお世話になっています福知山市の舟越工務店様の手刻みが
終了しました。
現在はコンピュータによる機械加工のプレカットが主流になっていますが
手刻みは職人がすべて木づくりします!!
匠の技ですね!!
今回は杉の構造材ですが、もちろんこだわりの中温乾燥材です!!
まもなく上棟されます。
おぎもく新春初市
1月8日(金)開催のおぎもく新春初市が無事終了しました。
心配していた雪も降らず、一安心です。
多くのお客様が来られました。
今回は、和久湧久工房(わくわくこうぼう)で天板の展示販売会
を行いました。普段は積み重ねていますが、広げることにより
じっくりと見てもらうことができました。
同じ和久湧久工房内で、杉フローリングの体感コーナーを設置しました。
百聞は一見にしかずと言うことで、実際に感覚を確かめてもらおうと
当社の15mm・30mm・39mmのフローリングと
新建材のフローリングがあります。
こちらは常設していつでも体感できるようにしてありますので
お気楽にお越しください
午後からは、「瑕疵保証及び長期優良住宅セミナー」を開催しました。
当初予定の人数より倍以上の方が来られ、資料の増刷をするなど
大盛況でした
仕事初め。
本日より仕事初めです。
1月8日(金)のおぎもく新春初市に向け準備中です!!
今年もおぎもくは、こだわりの中温乾燥・品質で確かな製品
をつくっていきますので、よろしくお願いいたします。