おぎもくブログ

カテゴリー: 価格の不思議

杉無垢フローリングの選び方 原板編

 

丸太は競り方式で競り落としますが、製材してみると様々な表情が出てきます。

 

 

 

こちらは 杉床すぎもくFグレード(赤身節有り化粧材)用の杉の板です。

全ての丸太がこのように綺麗だと良いのですが・・・

 

 

 

 

 

この板は色が真っ黒になっています。

このように杉は赤身部分が黒いものも多く、フローリングには適さないですね。

特に寒い地域で黒色が多いような気がします。

 

 

 

 

 

こちらは葉節(はぶし)と呼んでいます。

一見分かりにくいですが、黒いゴマのような点が多く存在しています。

これは苗木の時に出た幼い枝の名残りですが、板の全面にあると綺麗には見えないですね。

 

 

 

 

 

これは死節(しにぶし)と言って乾燥してくると節が抜けて穴が開いてしまうので補修が必要です。

 

 

 

 

これらはまだほんの一部で、あて材虫害・シミ・くさり・芯入りなど多くの表情があります。

 

 

逆に言えば、多少の欠点をごまかそうとすれば出来てしまうので

同じ杉無垢フローリングでも等級や価格に差が出ます。

 

 

 

そしてこれで終わりではなく、製品に最も重要なひとつに乾燥方法があります。

 

 

桧と杉の無垢天板

 

 

桧の天板を片耳落としして、40mm×270mmに仕上げして踏板に使用されました。

 

 

 

 

 

こちらは、杉の天板45mm×500mmに仕上げしてカウンターに使用されました。

 

 

 

 

 

杉・桧の天板も全て丸太仕入れから自社で製材しています。

 

特に乾燥にこだわり、人と木に優しい中温乾燥で時間をかけてじっくりと乾燥します。

 

 

乾燥後も最低1か月間以上倉庫内で養生するので、養生後加工して施工しても

反ることはほとんどありません。

 

 

天板も人気商品になっています。

養生済の在庫もありますのでお気軽にお問い合わせください。

杉 無垢フローリングの価格差③

杉 無垢フローリングの価格差の理由のひとつに、選別内容と乾燥工程があると前回書きました。
では、どのようにして選べばいいか?
厚みやサイズによる価格差もあるので、
同サイズの場合とします。
一番大事なのは、乾燥状態です。
乾燥には、乾燥機で乾燥する
人工乾燥と自然に乾燥する天然乾燥がありますが
乾燥後の製品の
1番高い含水率が何%以下かが分かっていることが重要です。
少なくとも、含水率を1度12%以下まで落としたものでないと、施工後の反り・曲りの確率は上がります。
残念ながら、人工乾燥も天然乾燥も含水率が高い製品が存在しています。
その為、含水率の確認が大切になります。
特に杉は個体差が大きいため、
全ての材料の含水率を確認しないと製品の品質が安定しません
 
大事なのは、
乾いているか乾いていないかではなくて、含水率が何%以下まで乾燥している製品かの確認です。
 

杉 無垢フローリングの価格差②

無垢フローリングの価格差について、前回は選別内容でした。
そして、もうひとつの大きな理由は、
乾燥工程です。
木材は自然素材なので、
製材時に多量の水分を含んでいます
この水分量を
含水率と言って、木材に含まれる水分の量を%で表します。
そして、
水分が木材から抜ける時に木材の変形が起こります
ここで
難しいのは、製品を見ただけでは、含水率はわかりません!!
木材は、
含水率30%くらいから収縮が起こり始めますが
含水率が30%でも、触るとかなり乾燥しているように感じます。
つまり、このフローリングは乾いていると言われても含水率の%が分からないと
施工後の反り・曲りが生じる可能性があります。
その為、
価格の安いものの中には、含水率が高いものが入っている場合もあります。
施工後の反り・曲り等を
防ぐには、乾燥機で1度含水率を12%以下まで落とし
乾燥後の
養生を1か月以上取る必要があります。
杉は個体差が大きいので 
すべての材料の含水率をきちんと管理しないと
施工後の反り・曲がりが生じる原因になります。
結果として、杉 無垢フローリングの価格差は、
品質の選別と含水率の%によって差が出てきます。
では、どのようにして選べばいいか?
この話は、次回に。

 

空気を買う?

 
丸太を木材市場で仕入れるとき、実は、空気も買っています。
と、なんか変な話ですが。

国産材の丸太を競りなどで仕入れるときは、体積(㎥){木材業界ではリューべと読みます}
で、購入します。

丸太は、丸いので体積を求めるには、どうするか?
たしか、中学校くらいで習った「ぱいあーるじじょー×ながさ?」
という計算ではなく、丸太を角として計算します。

わかりやすくしてみると。


丸太は、このように丸い形ですが、緑色の線のように正角で計算します。

仮に、緑の線の一辺と長さを1とすると、体積は  1×1×1=1となります。
そして、円柱とした場合の計算は、πr2(パイアール二乗)×長さで
半径×半径×3.14×長さになるので

0.5×0.5×3.14×1=0.785   

つまり 78.5%にしかなりません。

つまり、21.5%は、空気の部分を買っています。(青色で○した部分です)

木材業界特有の話でした

価格の不思議 (赤味土台)

現在、限定数ですが、桧の赤味土台を生産しています。


赤味土台とは、心材の部分でのみ製材したものです。
価格は、普通の土台に比べ約25%UPで、1本辺り約2000円UPです。

ここまでだけの話だと、ほぼ100%の方が高いと言われます。
しかし、ここで価格の不思議が生まれます。

まず、赤味(心材)ですが、辺材に比べ防腐・防蟻性に極めて優れ
耐久性が格段にUPします。
その為、赤味土台は2倍以上の耐久力が期待できます。

これは、木の特性によるものですが、辺材は、でんぷん等が含まれる為
心材に比べ耐久性は落ちます。

そして、1軒の家に使用される土台の数は、約30本です。
計算してみると
      2000円×30本=約60,000円
この約6万円を高いとみるか安いとみるかですが
トータルで何千万もする家の価格のうち
わずか6万円UPで2倍以上の耐久性が
期待できる赤味土台は、むしろ得なのでは
楽しい
もちろん、中温乾燥で木材本来の成分を残しているからこそ
効果があります!!

価格の不思議②

家の骨組みである構造材の価格は、家全体のどれくらいの比率だと
思いますか?
現在では、約10~15%くらいと言われています。
結構この数値に驚かれる人は多いです。
割合の大きいものは、住宅機器関係です。
高温乾燥材と中温乾燥材の価格の差は、約10%くらいです。
これは、中温乾燥は時間をかけて丁寧に乾燥させるので
乾燥時間の差によるものです。

実は、ここで価格の不思議が生まれます。
10%中温乾燥材が高いと価格差が大きくなると思われますが、構造材の比率は、先ほど書いたように約10~15%です。
仮に2000万円の家で計算すると、10%で構造材は200万円になり
その10%は20万円になります。
つまり2000万円の内20~30万円くらいのUP
中温乾燥材にすることが出来ます。

中温乾燥木材。

構造材は、家の骨組みである大事な部分です。
意外と構造材の価格が知られていないので書いてみました。

価格の不思議

(株)おぎもくでは、15mm、30mm、39mmの厚みの
杉 無垢フローリングを生産していますが
おススメは39mm厚フローリングです。
15mmと39mm厚のフローリングは、厚みの差が約2.5倍あるので
価格も2.5倍するやろーとよく聞かれますが、施工までを考えると
ここに価格の不思議が生まれます。
39mm厚の場合は、大引きに直貼りでO.Kですが、15mm厚の場合
大引きの上に、まず根太をいれてその上に合板を貼り
その上に15mm厚を貼るのが一般的です。

すると、15mm厚の場合は、フローリング+根太+合板の価格が必要になります。するとトータル価格はほとんど変わらなくなります
更に無垢材は、分厚いほど調湿作用が優れ断熱効果も大きいです楽しい
30mmも直貼りでO.Kですが実物を見ると、迫力が違います!!
その為、見られた方のほとんどが39mm厚を希望されます。

フローリングは健康面からでも39mm厚がおススメですイヒヒ